明治記念館でマジック
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明治5年創刊の報知新聞(今日のスポーツ新聞ではなく、東京五大新聞のひとつ)は、明治34年(1901)1月2日~3日に「20世紀の予言」と題する100年後を予想する記事を発表しました。
(1988.2.13 「週刊ダイヤモンド」が転載)
100年前に立てた「20世紀の予言」は驚くほど当たっているものが多いですね。(勿論外れているものもあります。)
最も恐れられた病気は結核。がんはまだ顔を出していません。
********* 20世紀の預言 ***********
1.無線電信及び電話
マルコニー氏発明の無線電信は世界諸国に連絡して東京に在るものがロンドン、ニューヨークにある友人と自由に対話することを得べし。
2.遠距離の写真
数十年の後 欧州の天に戦雲暗溢たることあらん時、東京の新聞記者は編集局にいながら電気力によりて其状況を早取写真となすことを得べく、而して其写真は天然色を現像すべし。
3.野獣の滅亡
アフリカの原野に到るも獅子、虎、鰐魚等の野獣を見ること能わず、彼等は僅かに大都会の博物館に余命を継ぐべし。
4.サハラ砂漠は漸次野に化し、東半球の文明は漸々支那、日本及びアフリカに於いて発達すべし。
5.七日間世界一周
19世紀の来年に於て少なくても五十日間を要したる世界一周は、二十世紀末には7日間を要すれば足ることなるべく、また世界文明国の人民は男女を問はず必ず1回以上世界まん遊をなすに至らむ。
6.空中軍艦、空中砲台
チェッペリン式の空中船は大に発達して、空中に軍艦漂ひ空中に修羅場を出現すべく、従って空中に砲台浮かぶかの奇観を呈するに至らむ。
7.蚊及びのみの滅亡
衛生事情進歩する結果、蚊及びのみの類は漸次滅亡すべし。
8.暑寒知らず
新器機発明せられ暑寒を調和するために適宜の空気を送り出すことを得べし。アフリカの進歩も此為なるべし。
9.植物と電気
電気力を以って野菜を成長することを得べく、而してえんどうはだいたい大となり菊、牡丹、バラは緑、黒等の花を開くものあるべく、北寒帯のグリーンランドに熱帯の植物成長するに至らむ。
10.人声十里に達す
伝声器の改良ありて、十里の遠きを隔てたる男女互いにえんえんたる情話をなすことを得べし。
11.写真電話
電話口には対話者の肖像現出するの装置あるべし。
12.買物便法
写真電話によりて遠距離にある品物を鑑定し、且つ売買の契約を整へ、其品物は地中鉄管の装置によりて瞬時に落手することを得ん。
13.電気の世界
薪炭、石炭共に尽き電気之に代りて燃料となるべし。
14.鉄道の速力
十九世紀末に発明せられし葉巻煙型の機関車は大成せられ列車は小家屋大にてあらゆる便利を備へ乗客をして旅中にある無からしむべく、ただに冬期室内を暖むるのみならず暑中には之に冷気を催すの装置あるべく、而して速力は通常一分時に二哩、急行ならば一時間百五十哩以上を進行し、東京、神戸間は二時間半を要し、また今日4日半を要するニューヨーク、サンフランシスコ間は一昼夜にて通すべし。また動力は勿論石炭を使用せざるを以って煤煙の汚れなく、また給水の為停車すること無かるべし。
15.市街鉄道
馬車、鉄道及び鋼索鉄道の存在せしとは老人の昔話にのみ残り電気車及び圧搾空気車も大改良を加えられて車輪はゴム製となり、かつ文明国の大都会にては街路上を去りて、空中及び地中を走る。
16.鉄道の連絡
航海の便利至らざる無きと共に、鉄道は五大州を貫通して自由に通行するを得べし。
17.暴風を防ぐ
気象上の観測進歩して天災来たらんとすることは一ヵ月以前に予測するを得べく、天災中の最も恐るべき暴風起こらんとすれば、大砲を空中に放ちて変じて雨となすを得べし。
されば20世紀の後半期に至りては難航、海しょう等の変無かるべし。また地震の動揺は免れざるも家屋道路の建築は能く其害を免るるに適当なるべし。
18.人の身体
運動術及び外科手術の効によりて人の身体は六尺以上に達す。
19.医術の進歩
薬剤の飲用は止み、電気針を以って苦痛無く局部に薬液を注射し、また顕微鏡とエッキス光線の発達によりて病原を摘発して之に応急の治療を施すこと自由なるべし。
また内科術の領分は十中八九まで外科術に移りて後には肺結核の如きも肺臓をてき出して腐敗を防ぎ、バチルスを殺すことを得べし。
而して切開術は電気によるを以ってあたかも苦痛を与ふること無し。
20.自動車の世
馬車廃せられ、之に代ふるに自動車は廉価に購ふことを得べく、また軍用しても自転車及び自動車を以って馬に代ふることなるべし。
従って馬なるもの僅かに好奇者によりて飼養せらるるに至るべし。
21.人と獣との会話自在
獣語の研究進歩して、小学校に獣語科あり、人と犬猿とは、自由に対話することを得るに至り、従って下女下男の地位は多く犬によりて占められ、犬が人の使いに歩く世となるべし。
22.幼稚園の廃止
人智は遺伝により大に発達し、且つ家庭に無教育の人無きを以って幼稚園の用無し、男女共に大学を卒業せざれば一人前と見做されざるに至らむ。
23.電気の輸送
日本はびわ湖の水を用い、米国はナイヤガラの瀑布によりて水力電気を起こして、各々其全国内輸送することとなる。
以上
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